ブランド力がある会社、ない会社どこが違う?

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世の中には、CMや目立つ宣伝をしていないにもかかわらず、消費者から支持され続ける企業と、CMなど大きな広告費をかけているがために認知度が高い企業があります。同じ種類で複数の選択肢からたった一つを選ぶとき、後者であれば選ばれるのは当然ですが、前者のように表立った宣伝をしていないにもかかわらず、選ばれ続ける企業があります。今回はその違いを、ブランド力を軸にして考えてみます。

 

ブランド力がある企業とは

テレビやラジオでのCMはもとより、対外的な「目立つ広告」を行っていないにもかかわらず、消費者から選ばれ続ける企業は、自社というブランドを確立しているといえます。

同じ分野、同じ業界にあまたに存在する、多くの競合他社を蹴散らし、業界トップを走り続ける企業には、貫き続ける信念があります。しかしCMなどを利用しないなら、「自社の信念」はどうやって消費者へ伝えていけば良いのでしょうか。

まず考えられるのは、いわゆる「口コミ」や、リピート客を増やすことです。自社が提供する商品やサービスに対し、多くの消費者が「これは良い!」と判断すれば、自然とその「良さ」は人々の中に浸透していきます。これを実践した企業の一つが、スターバックスです。

 

スターバックスは、みなさんご存知の通り、CMなどでの宣伝をしていません。スターバックスが行っているのは「上手いコーヒーの提供」と、「何度でも訪れたくなる雰囲気づくり」です。

みなさんは、どのような時に「カフェでコーヒーを飲む」という行動を起こしますか?

  • ゆったりとくつろぎたい時
  • 集中して仕事(あるいは勉強や読書)をしたい時
  • 久しぶりに会った友人と、ゆっくり会話を楽しみたい時

理由は人それぞれではありますが、他のカフェと比べると、スターバックスにはビジネスマンが多いと思いませんか?店の中でコーヒーを片手にパソコンを広げ、もくもくと仕事をする。学生ならばレポートを書いているかもしれません。休日ともなれば、カップルや友人同士という客層が増えますが、平日の昼間は、パソコンを広げている人が多いのではないでしょうか。

スターバックスは、自宅ではなく、職場でもない、第三の空間を提供することが、企業としてのコンセプトです。そして、徹底した空間作りにより「ここでパソコンを操作している自分はちょっとカッコいい」、顧客にそう思わせることで、リピーターを増やし、客層を拡大しています。

パソコン作業をする人に頻繁に利用してもらう、ミーティングや待ち合わせに利用するなど、一回の滞在時間が長くなる空間にすることで、利用頻度を上げることに成功したのです。

また、スターバックスが行っているブランディングの、もう一つの戦略は、全アルバイトスタッフにも、企業としてのコンセプトを共有、教育することです。これにより、より「長居をしたくなる空間」を作り出しています。

さらに、スターバックスは店舗によっては店外にテラス席を設けているところがありますが、基本的には「禁煙」です。喫煙者が減少している昨今、特に20代、30代のビジネスマンには、この「全席禁煙」も、ファンを増やす一つの手法だったようです。

 

既存のメーカーが作り出した、新しい“ブランド”

では、既存の大手自動車メーカーが新たに作り出したブランドを考えてみます。トヨタ自動車のプリウスです。

プリウスは、1997年から製造・販売がスタートした、世界初の「量産型 ハイブリッド専用車」です。それよりも少し前、1995年プロトタイプが公表されましたが、その時のキャッチコピーは「人と地球にとって快適であること」でした。

この時はまだ、世の中の消費者は「ハイブリッド専用車」がどのようなものなのかが分からず、このコンセプトはなかなか浸透しませんでした。同クラス車の約2倍の燃費30km/Lを持つにもかかわらず、価格が高額でしたから、いわゆる一般大衆車には成り得ないのでは、と考えられていました。

しかしそれから2年後、今度は「21世紀に間に合いました」というキャッチコピーで、一般向けにも「世界初となる量産ハイブリッド自動車」としての販売がスタートしました。

それまで、自動車といえば「走るたびに排気ガスを出し、空気を汚染していくもの」でしたし、「自動車でエコ?」という疑問符が、多くの消費者の頭の中に浮かんだでしょう。

しかし、「走るたびに空気を汚染する」ものを作っているメーカーが、地球のことを考えた「エコカー」を作り出す、このギャップも消費者の度肝を抜きました。

プリウスの開発コードは「G21」ですが、これは、地球を表すGlobeと、21世紀を表しているそうです。開発チームは「トヨタの車」ではなく「21世紀のクルマとは何か」という問いかけに対し、長い時間をかけて議論を重ねました。当時は将来的な環境汚染や、CO2の排出による地球温暖化が問題と考え始められた頃です。これらの問題に対し、自動車メーカーだからこそ、正面から取り組むべきではないか、という方向性がきまり、結果的に「低燃費なエコカー」が誕生したのだそうです。

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その後、複数の自動車メーカーから「ハイブリッド車」が販売されていますが、今でも「トヨタのプリウス」は、トップを走り続けています。

 

“ブランド”が浸透するまでに要する時間?

宣伝をしなくても選ばれ続けるスターバックス、宣伝をしながら着実に売り上げを伸ばし続けるトヨタのプリウス。それぞれに、消費者を惹きつける“ブランド”が、しっかりと確立されています。

“プリウス”というブランドが、一般消費者に浸透するまでは、多くの時間を費やしました。実際、日本での年間販売台数が10万台を超えたのは、販売開始から10年が過ぎた頃です。そして2016年春、世界での累計販売台数が900万台を超えました。途中、「エコカー補助金」という追い風を受けながら、販売台数を伸ばしてきましたが、ここまで20年の月日を要していたことになります。

一方のスターバックスも、日本に初上陸したのは1996年のことです。それからおよそ19年の年月をかけ、日本全国47都道府県すべてに店舗を展開しました(最後は鳥取県)。

いずれの企業も、その地位をゆるぎないものとするまでは、かなりの年月をかけていることが分かります。“ブランド”を広く認知してもらうためには、多くの時間が必要だったのです。

 

しかし、それは「これまでの時代」だったから、のお話

現在は、インターネットの普及、WebサイトやSNSによる情報拡散スピードの高速化により、「より多くの人に知ってもらう」ために、それほどの時間を必要としません。むしろ、多くの人が「良い」と感じる情報であれば、瞬く間に世界中に拡散していく時代です。

自社や自ブランドのコンセプトを、誰にどうやって伝えるのか。これを突き詰める戦略が「ブランディング」なのです。

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